• 準備力
2017/08/17

肌とストレス(前編)【肌からストレスオフを考える④】

ストレスでイライラしたり、不安・緊張などを感じたりすると、なんだか体調が……そんな経験したことがある人は多いでしょう。肌にもその影響が出てくることがあります。湿疹や蕁麻疹といった症状はわかりやすいですが、肌の乾燥や肌荒れの場合は気にせずそのままにしてしまうかもしれません。
ストレスによって肌の状態が悪化するメカニズムを、桜美林大学・山口創先生が解説してくれました。

■「チョコレートでニキビができる」の本当の理由

「チョコレートなど甘いお菓子を食べすぎるとニキビができる」と思ったことはありませんか?
ペンシルバニア大学で行われた研究では、チョコレートケーキを毎日食べ続ける学生グループと、食べない学生グループに分け、数週間後にニキビの発現率を比べてみました。すると意外なことに両者に差はありませんでした。アメリカ食品医薬品局(FDA)でも「特定の食べ物の摂取とニキビとは直接関係はない」と発表しています。しかし「チョコレートを食べると翌日必ずニキビができる」と感じている方も多くいらっしゃると思います。なぜこのような違いが出てくるのでしょうか。

皮膚科医の檜垣祐子医師[1]は、チョコレートを食べた後にニキビが出るのは、チョコレートなどの食品自体に原因があるのではなく、それらの食べ方に原因があるのではないかと考えています。つまり、肌トラブルに悩んでいる人は、ストレスが続いてうまく乗り越えられない時に、好物のチョコレートなどを一気に大量に食べてしまう傾向があるというのです。

チョコレート原料のカカオには、脳を刺激するカフェインや、リラックス効果のあるテオブロミンが含まれており、精神的なストレスに効果を発揮します。ストレスを感じたときに好きな食べ物を過剰にとる食行動を起こすことで、そこから気持ちをそらそうとする逃避行動ともいえますから、大好きなチョコレートを無理してやめる必要はないのです。適度に食べるよう心がけながら、その他にストレスオフする方法を見つけることが大事でしょう。


■ストレスによる肌温度の低下に注意を

二つ目は、肌の冷えとバリア機能の低下のメカニズムです。肌の新陳代謝をターンオーバーといいますが、簡単に言えば肌の生まれ変わりのこと。肌の最も内部にある基底層で生まれた細胞は形を変えながら表面に押し上げられていく過程で死んだ状態で角化細胞となり、新しい細胞に押し上げられるようにして最後は垢となって自然にはがれ落ちます。



ところがストレスや疲労がたまると、交感神経が優位になるため肌の血管が収縮して血流が悪くなります。その結果、肌の温度が下がり、基底層で肌の細胞が正常に作られなくなりターンオーバーが乱れがちに。肌細胞は未成熟のまま表面に押し出されるため、細胞の面積は小さくなります。すると潤いを担うセラミドなどの保湿成分が肌内部で十分に作られず、バリア機能や保水能力も低下。これこそが肌の乾燥の原因、つまり「ストレスがあると肌が乾燥しやすくなる」のです。(後編へ続く)



肌とストレス(後編)【肌からストレスオフを考える④】

肌は第三の脳である【肌からストレスオフを考える①】
「触れる」で分泌を促す。ストレスを緩和するオキシトシン【肌からストレスオフを考える②】
触れることで感情を呼び起こす「C 触覚線維」とは?【肌からストレスオフを考える③】



(引用)
[1]檜垣祐子(2014)皮膚科専門医が教えるやってはいけないスキンケア 草思社



執筆・監修:山口創

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