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2017/12/14

生薬と温泉を科学して120年余。入浴剤で健康を支えるバスクリン

現代人が抱えるストレス問題に、独自の商品やサービスでアプローチを試みる企業・団体を紹介しているシリーズ。今回は、睡眠と並び、ストレスオフに欠かせない生活習慣「入浴」に貢献している株式会社バスクリンが登場です。100年以上も前の明治時代から、入浴や入浴剤の持つ疲労回復の効果に着目。日本のお風呂文化をリードし続けています。

■入浴剤のスタンダード「バスクリン」。その起源はエコな思いつきから

今や家庭のお風呂でおなじみの入浴剤。香りや効果など別にさまざまな種類が発売されていますが、その元祖ともいえるのが「バスクリン」。現・株式会社バスクリン(以下バスクリン)の前身である津村順天堂(1893年創業)が、1897年に発売した「浴剤中将湯(ちゅうじょうとう)」がそのルーツです。

もともと製造・販売していた、婦人薬「中将湯」の製造過程で出る生薬の残りを持ち帰って自宅のお風呂(当時はタライでの行水)に入れてみたところ、体が温まったり、皮膚疾患が改善したりという効果を発見。「くすり湯 浴剤中将湯」として銭湯で売り始めたところ、口コミで大人気に。そして1930年(昭和5年)、温泉成分に芳香を加えた夏向けの入浴剤として「バスクリン」が誕生しました。現在でも「生薬」と「温泉成分」は研究の中核にあります。


写真左:創業当時の津村順天堂 写真右:昭和5年発売の初代「バスクリン」



■入浴剤のストレスオフ効果を科学的に検証

入浴剤をすることで「リラックスしたい」、あるいは実際に「リラックス」すると感じている人は多いでしょう。しかし客観的な検証はほとんど行われてこず、その効果が研究され始めたのは近年のこと。バスクリンでは、大学の研究機関などと共同で、10年ほど前から入浴や入浴剤と自律神経についての研究を行っています。

2007年には、広島国際大学、ひとセンシング株式会社、枕でおなじみのロフテー株式会社と共同で入浴剤のリラクセーション効果を脳波で実証。男性9名、女性9名の被験者に計算課題で精神的な負荷を与えた後に入浴してもらい、入浴剤ありとさら湯で脳波(α波)のリズム度から算出する快適度を測定しました。結果は、入浴剤使用時は、さら湯と比べ快適度の上昇率が229%アップ。時間変化を見ても、入浴剤の使用により快適度が維持されることがわかりました。

<入浴中>

<経時的変化>


出典:「浴用剤のリラクセーション効果を脳波で実証」ツムラ ライフサイエンス株式会社(現・株式会社バスクリン)

また2009年には、岡山大学大学院、岡山大学病院との共同研究で、冷え性の自覚者7名の全身浴(40℃10分間)時、炭酸ガス入浴剤の使用でストレス物質であるコルチゾールの値が低下することを確認。入浴剤がストレスオフに有効であることが示唆されました。

<コルチゾール値の変化>


出典:「食塩含有人工炭酸泉浴の各種症状に及ぼす治療効果について 全身浴での血中アルドステロン濃度やコルチゾール濃度などに及ぼす影響を検証」ツムラ ライフサイエンス株式会社(現・株式会社バスクリン)



■コンディションや効果で使い分けたい入浴剤

バスクリンの入浴剤は、一部をのぞきその多くが薬用入浴剤です。厚生労働省の管掌する薬機法(医薬品医療機器等法)により、疲労回復や腰痛などが効能または効果の範囲とされる「医薬部外品」の認可を受けています。入浴の効果を高めるものが入浴剤。大きく分けて5種類が発売されていますが、それぞれ以下のように効果が異なるのです。

【入浴剤の種類と効果】
●無機塩素系・・・主に温泉由来の成分による温熱、重曹などによる清浄効果
●生薬系・・・生薬に含まれる成分の働きによる温熱効果
●炭酸ガス系・・・炭酸ガスが血管を拡張する温浴効果・血行促進
●清涼系・・・メントールなどの清涼成分で、涼しく入浴
●スキンケア系・・・保湿成分で皮膚の表皮の角質を軟化し、肌をなめらかに

精神的なものだけでなく、筋肉の凝りからくるもの、あるいは肌コンディションからくるものなど、ストレスにもさまざまな要因があります。今後はますます複雑化してくることでしょう。前述したように入浴や入浴剤のリラックス効果の研究が進む中、今後さらにストレスオフの手立てになる研究発表や製品に注目が集まりそうです。

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取材・執筆:オフラボ 監修:石川泰弘

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