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2017/12/21

朝のスキンケアルーティン“洗顔”を見直そう

「ストレス性乾燥肌」に着目して商品開発を行っている株式会社メディプラスの商品企画部・甲斐紗緒里さんによると、「間違った洗顔で、肌のうるおいに重要なセラミドを流出させてしまっている人、意外と多いんです」。美肌の基本は、しっかり汚れを取り去ること!とばかりに念入りに行っていた洗顔やクレンジングが、逆に肌の乾燥を招いてしまうなんて……。朝のスキンケアがもたらす、意外なストレスオフ効果もご紹介します。

■外的な刺激から肌を守り、水分を保持する「バリア機能」

肌の乾燥と洗顔の関係を知るために、まずは水分保持のメカニズムをご説明しましょう。よく「肌のうるおいを守るのはバリア機能」といわれますが、そもそもバリア機能とは、表皮の一番上層の「角質層」が“うるおいを保持”し、外的な刺激から“肌を守る”機能のこと。角質層はケラチン、NMF(天然保湿因子)などで構成されていますが、中でも水分を肌の内部に留めるのに重要なのが、細胞間脂質です。

読んで字のごとく、一つひとつの角質層細胞の間を埋めるように脂質が満ちていることで水分の蒸散を防いでいますが、その40~60%を占める主成分が、うるおい因子・セラミド。不足するとバリア機能はもろくなり、肌はさまざまな刺激を受けがちに。蓄えるべき水分の減少も招きます。またセラミドは両親媒性(りょうしんばいせい)の成分で、肌のうるおいに必要な油分と水分の両方を兼ね備えているのもポイントです。

<肌のバリア機能がある表皮(角質層)>



■肌のうるおいに欠かせないセラミドが減少する3つの理由

うるおった肌でいるためには、いつでもセラミドに満たされた角質層をキープしていたいものですが、残念ながら、セラミドはさまざまな要因で失われます。

▼加齢
まずは加齢です。セラミドは、通常28日周期と言われる肌のターンオーバーの過程で生成されます。しかし年齢を重ねると共に、スムーズに肌の生まれ変わりが行われなくなることでセラミドの生成も低下。グラフにあるように、50代になると20代の約半分ほどにまで減少します[1]。

<年齢でセラミドが減少>


Imokawa G. et al J. Invest. Dermatol. 96; 523-526, 1991の図を改変

▼ストレス
近年増加している「ストレス性乾燥肌」も、セラミドの減少が一因です。外的・内的ストレスを受けると副腎皮質から別名ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの分泌が促され、その過剰分泌で、セラミドが分解されてしまうことが最新の研究でわかっています[2]。

▼洗顔
そして、日常でもっともセラミドが失われていると言われているのが毎日の洗顔です。角質層は平均約0.02㎜ととてもデリケートです。「きちんと汚れを落とさなくては」と時間をかけ過ぎたり、ゴシゴシ擦り過ぎたり。過度な洗顔による摩擦で角質層がはがれると、セラミドが流れ出してバリア機能が低下。水分を保持する力も弱まって、肌の乾燥を招きます。



■朝の洗顔を意識して、肌もストレスも心地よくオフ

自律神経バランスを計測するWINフロンティア株式会社とオフラボは、共同で「スキンケア行動のストレスオフ効果」を実験。30代の女性12名に、温度・湿度を一定に保った室内で「顔のケア」「腕のケア」「足のケア」を 各3分×2セットずつ行って自律神経のバランスの変化を測定したところ、スキンケア時はリラックス時に働く副交感神経が高まる傾向にありました。さらに6回のケアの中で、もっとも副交感神経の機能が優位になり、トータルパワー(ストレスマネジメントに有効な自律神経の総合力)も高かったのが、1回目の「顔のケア」。このことから、1日の始まりの朝のスキンケア、中でも最初に行う「洗顔」が、ストレスオフに有効である可能性が高いことがわかりました。



眠気をシャキッと覚ましてくれる朝の洗顔は気持ちのいいものですが、それがストレスオフにもなるなんて。さらに摩擦を避けてやさしく洗うことを心掛ければ、ストレスによる乾燥肌の予防も期待できます。何気なく行っているスキンケアルーティンを少し見直すだけで、毎日がストレスオフに。小さな積み重ねが、ストレスに負けない、大きな心の余裕に繋がるのです。

[1]Imokawa G. et al J. Invest. Dermatol. 96; 523-526, 1991
[2]Yitao Wang, Chunxue Zhang, Yuelei Jin, Xiao‐fan Wang, Qing He, Zhu Liu, Qing Ai, Yunlong Lei, Yi Li, Fangzhou Song and Youquan Bu(2017). Alkaline ceramidase 2 is a novel direct target of p53 and induces autophagy and apoptosis through ROS generation Sci Rep.,2017;7:44573

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取材・執筆:オフラボ 監修:甲斐紗緒里