• 準備力
2018/04/26

「飽きる」「眠い」がサイン。“隠れ疲労”にご注意を【ストレス性疲労をオフしよう①】

現代の日本は「疲労大国」。平成14年に厚生労働省が行った「労働者健康状況調査」では、なんと働く男女の7割以上が「疲れている」と感じているのだとか。オフラボでは、ストレスがキャパシティを超過し、心身に蓄積した疲労状態を「ストレス性疲労」と定義しています。連載「ストレス性疲労をオフしよう」では、疲労研究の第一人者である東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身先生にお話をうかがいます。

■疲労の前の2つのサイン

日本疲労学会では「一般に運動や労力などの身体作業(運動)負荷あるいはデスクワークなどの精神作業負荷を連続して与えられたときにみられる、身体的あるいは精神的パフォーマンス(作業効率)の低下」と、疲労を定義しています。「仕事中に考えがまとまらない」「ついぼんやりしてしまう」、あるいは「体がだるい」「肩がこる」など、さまざまな変化や症状を経験している現代人は多いでしょう。

しかし「疲労」は、実はある程度蓄積されてから起こります。長時間デスクワークや勉強をしていて「飽きてきたな」これが最初のサイン。休憩する、リフレッシュするなど対応しないでいると、次にやってくるのは「眠気」です。集中しているつもりなのに、あくびが出ること、ありますよね。脳は数千を超える神経細胞の塊で、複雑に連携し合って働いています。同じ回路だけ集中して負荷がかかると、休息を促すように飽きたり眠くなったりするのです。脳が発しているそんなサインを毎日のようにやり過ごし、フル回転している神経細胞を十分に回復させないでいると……心身の不快感や痛みといった「疲労」が生じます。



■達成感があれば疲れはなかったことに!は、ならない

例えば、時にクライアントに嫌味をいわれたりしながら、それでも徹夜続きでがんばったプロジェクトがあるとします。あなたの体も心も、当然ボロボロです。でも、そのプロジェクトが大成功をおさめ、「よくやった!」と褒められたりしたら、きっと疲れも吹っ飛んでしまうことでしょう。でもそれ、そう感じているだけだと気づいていますか?

疲労していても、それを感じられない。そんなギャップが生じる原因は2つあります。
第2回で詳しくお話ししますが、「疲労が起こっている」のは、脳内の自律神経中枢です。そして「疲労を自覚する」のは、眼窩前頭野と呼ばれる場所です。このように、同じ脳内でも領域が異なるため、ギャップが生じるというのが一つ目。そしてもう一つは、先ほどの例のように、やりがいや達成感が疲労感を覆い隠してしまう錯覚です。研究者の間では、これを「疲労感のマスキング」と呼んでいます。平易に言い換えれば、「隠れ疲労」です。昨今大きな社会問題となっている過労死も、隠れ疲労が積もり積もって起きているケースがあります。「疲れた」と感じなければ疲れていないのではなく、本当は疲れているのに自覚できていないだけ。念頭に置いて、「飽きた」や「眠い」のサインを意識してみてください。



取材・執筆:オフラボ 監修:梶本修身

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