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2020/02/27

自己嫌悪にならないで。つらいPMS(月経前症候群)の軽減は「知る」ことから

月経に伴う体調不良にはさまざまなものがありますが、中でも近年耳にするようになったPMS(月経前症候群)には目には見えづらい症状が多く、また症状の有無やつらさの度合いもさまざまです。そのため、同じ女性でも本当にわかりあうのは難しく、ましてや男性となれば「お手上げ」かもしれません。でも、性別年齢を問わず、知ろうとする姿勢やわかってあげたい気持ちが垣間見えることだけでも、身近な女性の救いになることも。まずは、知識を得ることからはじめましょう。

Q. いつ頃から研究されるようになったの?
A. 100年近く昔の女性たちも悩まされていました

月経前症候群と訳されるPMS(Pre Menstrual Syndrome)が一般的に知られるようなったのは近年ですが、その歴史は意外と長く、最初に「月経前期の症状が多くの女性にある」ことが注目されたのは1931年のこと。現代女性の働き方と共に語られることも多いPMSですが、実は100年近く昔の女性たちも悩まされていたようです。



Q. どんな症状がでるの?
A. 体だけでなく、心にもつらい症状がでます

腹部や乳房のハリ、頭痛、むくみ、体重増加、便秘といったフィジカルな症状だけでなく、イライラする、怒りっぽくなる、無気力、集中力の低下などメンタル症状が出るのがPMSの特徴です。とくにメンタル症状は、イライラからちょっとのことで当たってしまうなど身近な人に影響を及ぼします。家族や恋人は「なんでイライラしているんだろう?」と不安になったり、カチンときたりするでしょう。でもPMSの本人自身も、感情をコントロールできないことで自分を責めることになり、別のさらなるつらさを感じているのです。



Q. みんなに起こるの?
A. 個人差があります

PMSの理解されにくさの一つに、個人差が挙げられるでしょう。厚生労働省「ヘルスケアラボ」によると、月経のある女性の多くは、何かしらは上記のような症状がありますが、症状が「排卵以降月経まで長く続く」のがPMSの特徴であり、20代前半から閉経までの2~10%に起こるとされています。



Q. 回避・軽減する方法は?
A. 時期や症状を知ることがストレスオフに

なぜPMS症状が起こるのかがわかればいいですが、「これが原因」と明確に特定できないのも、PMSのやっかいなところ。自らできる対策としては、まずは“いつ・どんな症状”を把握することです。
「どうやら生理予定日の3~1日前がピークみたい」これがわかれば、予定を詰め込まず、できるだけのんびり過ごせるようにするなど調整ができます。仕事などでどうにもならない時も、「この3日間さえ乗り切れば」と出口が見えるだけで気持ちは違うでしょう。誰かに当たってしまいそうな時も、「今はイライラ期だから気をつけないと」と事前に気づけることも増えるはずです。パートナーには「今イライラ期だから、当たっちゃったらごめんね」と伝えておいてもいいかもしれませんね。



Q. がまんするしかないの?
A. つらさがひどい時は受診しましょう

不安定な気持ちが積み重なっていくと心の大きな負担となり、また別の症状を引き起こすこともあります。例えば、ストレスオフラボが以前取材した国際医療福祉大学病院の心療内科部長・岡孝和先生によると、心のストレスで発熱することがあるのだとか。高熱が出ることもありますが、微熱が下がらずだるい状態が続くこともあり、PMS同様に周囲にはなかなかつらさがわかってもらえません。

時期や症状が把握できても、やっぱり感情の起伏の波に耐えられなかったり、気分の落ち込みがひどいならば、一人で抱え込まずに婦人科や心療内科を受診し、症状に応じた治療を受けましょう。

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■ 身近な人の理解と思いやりで気持ちが楽になることも

昨年、ある百貨店が月経中の女性従業員にバッジの着用を呼びかけ話題を集めましたが、結局、再検討されることに。月経前、あるいは月経中のつらい症状をサポートしたいという気持ちは十分に伝わってきますが……センシティブなことをシェアするのは、やはりハードルが高いもの。「理解してもらいたい」、でも「生理であることを知られるのには抵抗がある」というのが本音ではないでしょうか。

これまで書いてきたように、自らできるケアで軽減を試みることはもちろん、これを読んでくださっているあなたの奥さまや恋人が「もしかしたらPMSで苦しんでいるのかも」と思い当たることがあるならば……時には子どもたちへのフォローにまわったり、時にはそっとしておいてあげたり、「めんどうくさい」「とんだとばっちり!」などと突き放さず、どうぞ寄り添う気持ちを。大切な人の思いやりが、もしかしたら、とっておきの特効薬になるかもしれません。


【参考文献】
厚生労働省「ヘルスケアラボ」 


執筆:ストレスオフラボ 監修:井上大樹(ストレスオフラボ・メディプラス研究所)

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